メキシコのチップ(プロピーナ)

私も人さまに言えるほど、詳しいわけではありません。
むしろ、数々の失敗を経験し、
へこたれております。

ですが、
メキシコでの自分を含め、日本の方の評判を
可能な限り上げたいとという野望のもと、
記事を書きたいと思います。
あくまで私見ですので、常識とズレがあるかも
知れません。あしからず。
(正確な記事にしたいので、ご意見歓迎です。)

うんとこさ長いので、時間がない人は
今日の記事はパスしてね。


ルール1:不満でもあげる

まず、チップ(プロピーナ)をあげる理由ですが
義務です。
「サービスに満足したらあげる。」
というのは間違いです。
なぜなら、私たち日本人は自国で無料のサービス
(それも国際的にも最高のランク)
を受け慣れているので
外国で『うわー。すばらしいサービスだ。』
とは、まず思わない。

日本人的には”普通”。
あるいは”普通以下”。

でも、それが、外国では”努力の結果”です。
「満足しないからあげない。」は、原則なしです。
「いらっしゃいませ。」
の笑顔があれば、あきらめてチップは払いましょう。

あまりにも失礼な態度ならば? 
ーまず無いとは思うけれど、もしも出会った場合。
変なひとからは去ること。
戦わない。トラブルは避ける。
せいぜい、チップちょっと減らす(?)


ルール2:場所に関係なくあげる

「高いところで高い料金を払ったのだから、
少々良いだろう。」
「料金に込みだろう。」
は、なし。

高級なところほど高額なチップがもらえるところ、
と 働く人は思って働いています。
もっといえば、
『お客様からチップをもらうのは、労働者の当然の権利だ!』
もう、旅行の計画の時から”チップ代3万円”と
予算計上してください。
 
理想を言えば、
男性がさりげなくポケットから
小さく畳んだお札を
別れ際の握手の際に "そっと笑顔で"
お渡しになったら 最高にスマート
だそうです。
(が、これはなかなかハードルが高いゾ。)

ポイントは、
くれぐれもゴソゴソ財布から出さないこと。(できれば)
小銭を集めて渡さないこと。(かなりマズイ)

マネークリップでも、文房具のクリップでもなんでも構いません。
ポケットにお札をまとめて入れて、
小銭はズボンのポケットにでも入れておけば
イザというときサッと出せてスマート(らしい)。

その際は、高額紙幣を内側に入れて、
よく使う低額の紙幣を外側に置く。
メキシコなら20ペソ札、50ペソ札、
せいぜい100ペソ札くらいかな?

(200ペソ札と500ペソ札は お財布の中で保存よ。
 洗濯したら悲し過ぎるし…。)

女性の服にはあまりポケットがありませんし、
海外では 会計は男性の仕事です。
カッコいい男になってください。

ちなみに、うちの主人はチップに気をつかうの大嫌い。
格好いいどころの話ではなく、レストラン以外は
大抵見事に忘れています。

ポケットにバラ銭? とんでもない。
きちきちお財布に入れてます。
めっちゃ ザ・日本人 ┐(-。-;)┌

あ、そうそう。
レストランによってはサービス料込のところもありますので、
請求書をよく見てね。
チップはpropina(プロピーナ)と書いてありますよ。
『プロピーナ?こんなの食べたっけ?パイナップルか?』
と、思ったら
それはチップだよ~!

書いてなければ、ランチで最低10%~15%。
ディナーなら、15~20%くらいは払いましょう。
お釣りをもらってそのなかから支払っても良いし、
「釣りはいらねえぜ。」
でもOKです。

「お釣りはそっくりテーブルに置いて帰れ。
 それで足りなければ足しておけ。」
とも聞きました。辛いね。
 
カフェでも
「3ドルのコーヒーにチップは1ドル。」(アメリカ)
だって。
「助けて」って感じよね。


チップをきちんと払おうとして小銭を集めるより、
きりの良いところでお釣りをもらわない方が
スマートだそうです。
(私は、妖怪小銭集めのように集めていました。
 ダメだったんだね~。)
でもね、お財布に10ペソ、5ペソ、20ペソ札、
50ペソ札など、たいていの場合 無い!
なぜか、センターボ(1ペソ=100センターボ)ばっかり(泣)。

救いとしては、メキシコは、会計をすごくゆっくり
しても良い国であること。

友達同士なら割り勘で
「君はこれとこれ頼んだから…。」
と、酔いも手伝ってテーブルで延々やっています。
レジではなく、テーブルで支払うことがほとんどですからね。
だから慌てなくって大丈夫。ゆっくり探しましょう。
(でも、探してもセンターボ。)
となれば、仕方ない。
お釣をもらってそこからから払うか、
金額をチップ込みに訂正して、カードで払いますか…。

行きつけのお店なら 
「ごめん。今日小銭がないから、次に払うよ。」
でも許されることもあります。
観光の場合は、これができないから辛いですよね。

ファーストフードはチップは一応要りません。
屋台もいらないと聞きましたが、地元の人はあげていました(!?)

チップ不要のところでも、お皿やボックスが
置いてあるところがあります。
自由参加です。
デパートのトイレにもチップ皿があります。
きれいに掃除してあって、気持ちよく利用できたら
5-10ペソ入れても良いかも。
地元民は「時々は入れるよ。」でした。

 

ルール3:笑顔で”ありがとうだけ”はダメ。

日本的感謝、"笑顔で「ありがとう。」だけ"
は、日本人同士でしましょう。

お金で感謝なんて、少し抵抗ありますよね。
でも、メキシコのサービス業の人には
”笑顔でありがとう + 適当な額のチップ
でお願いします。

特に日本の新婚さん、気を付けてください。
中には全く払わない人がいて、こちらでは
あまり評判がよくありません。

わたしは、これは旅行する人よりも、
旅行会社の怠慢だと思っていますよ。 
せっかくの楽しいはずの旅行が、
現地の人が途中から微妙に冷たくなったりすると、
なんだか不愉快じゃないですか。
しっかり、現地情報をお伝えしてから、
日本から送り出すべきです。

「メキシコはアメリカより、チップにうるさいですよ。」
  
忘れがちなのが、日帰りツアー旅行の際の、
ツアー・ガイドさんへの謝礼。

旅行案内にはっきり
「代金にはガイド・運転手へのチップは含む(含まない)」
と、書いてあります。
含まれる場合は、良しとしてもらって、
含まれない場合、
さて困った一体いくらくらいが適額なのか?
 
調べたら、少し昔の資料ですが、
『ツアーチップは半日コースでUS$5。
 1日コースでUS$10。』
とありました。

ガイドさんひとりへのチップです。
(運転手さんはガイドさんの半額程度で
良いとも聞きましたが・・・?) 

今ならば、例えばカップル2人で利用した場合、
1日コースならガイドさんと運転手さんの2人で
200ペソ。
(300ペソは少し多めかな?)

たとえ日本人のガイドさんでも、必ず渡してください。
ここはメキシコだから。
”道中にムリを言ってトイレに寄ってもらった”
など、個人的にお世話になったら、
もう50ペソか100ペソ足してね。

ひとりずつ渡さなくても、ガイドさんと運転手さんは
あとで分けられるみたいです。
子どもを連れていって、少しでも遊んでくれたら
足してあげて。
それはおそらく 善意ではなくサービスでしょう。
外国では、サービスにはもれなくチップが発生します。


 
ルール4:チップを払う相手

レストランのウエイターさんたちには、
サービス料として10%~20%。

ホテルのベルボーイ
荷物を運んでもらったら20ペソ。
荷物が2個なら30ペソと少しずつ足して。
一泊US$300以上の高級ホテルに泊まり、窓を開けて部屋の
説明までしてもらったら、50~100ペソ。

(N.Y.の高級ホテルならUS$50(!)が、普通にチップで
 渡されるそうです。)

メキシコでも、
スーツケースの中身をクローゼットにしまわれた日には
100ペソ↑
即 笑顔で渡しましょう。
まず、ないと思いますが…(笑)

ルームサービス
(レシートにサービス料が含まれていれば、不要。
 なければ10%くらい)

ドアマン
(タクシーを呼んでもらったら、10ペソか20ペソ)

ベットメーキング
ホテルのランクにより、チップの相場が違うそうです。

普通のホテルで、
ひと部屋20ペソ~30ペソ/日。
リビングルームつきのスイートなら、5ドル=50ペソ/日。
(メキシコの人は「広い部屋でも30ペソで良いわ。」
とも言われしたが…?)
  
カンクンなら、40~50ペソ/日。
カンクンは特別。
(アメリカ並みらしい。)

オールインクルージブでも、メキシコの人は
メイドさんにはあげるそうです。
最後の日に100~200ペソ置くんですって。
  
普通のホテルでも、タオルで白鳥など作ってあったり、
チョコレートが置いてあったり…。
メイドさんのやる気を感じるホテルに 2~3泊したら、
1日なら、30-50ペソ?
(か、最後の日に100ペソ。)

チップは、毎日置かなくても、
最終日にまとめてでもOKらしいけれど、。
「部屋担当が代わるから毎日置いてほしい。」
と聞いたこともある。
何も置いてないと不安になるし、最後の日にどっさりあっても
その日に担当してないと、もらえないかも。
週払いのお給料の人も多いメキシコです。

時々、"メイドさんの名前入り封筒"がガッツリ
置いてある時もあります。
「不幸の手紙だ~。」
と泣かずにその中に入れましょう。

バックパッカー用の宿は、チップが無くてもOKみたい。
清掃&ベットメイクに対してのチップなので、
相部屋だったり
それほど清潔でないなら、
なしで良いって。
もちろん、したければしてもOK。

(相部屋でチップ置いても、同室の人が有難く貰うだけかな?)

 
”若者向け”ではなく、
たんに”市民の泊まる安いホテル”なら
10~20ペソ/日で良いと、
メキシコの人が言われました。
  
でも、汚したりしたときは多めに置く。
あ、常識ですね ( ;∀;)

日帰りツアーのガイド&運転手(上記のとおり)

マリアッチ
実は、これが一番難しい。
ルールは"基本ノー・ルール”なんですって。

”一曲につき10ペソとか、ひとりに付き10ペソ。
楽団の人数がごちゃごちゃと多い時は、
まとめて100ペソでOKらしい。”
という噂がありましたが、
 
メキシコの人のアドバイスは、
「歌う前に聞け。」

「クアント クエスタ(いくらですか)?」
「1曲50ペソです。」
「ノー グラシアス。(結構です)」
「1曲30ペソです。」
「では、1曲だけ。」
などのやり取りがあって、歌い終わったらテーブルの下から
チップを渡すそうです。

でも、
”レストランが雇っていて その晩は無料”
ということもあるらしい。
有料の場合は、2曲で50ペソくらいが相場だとか…。

『歌えば歌うほど支払わなくては!』
と緊張して、何曲歌ったかこっそり数えなくても大丈夫。

メキシコの人は
「一晩中そばについて歌われたとしても、
200ペソが上限だ!」
と言われていました。

マリアッチに囲まれる経験なんて、
人生でそう何度もないはず。
って、あったりして(笑)
向こうも慣れていて、日本人だと
"どうですか?"もなく、
すぐに歌い出したと聞いた事も。

ま、がんばって。私もがんばるよ ( ;∀;)


美容院、スパ
料金の10~20%。
小銭が無ければ少なめでも、「次回にするね。」でもOK。

オールインクルージブのホテルでも、スパ代は別料金。
ということはチップも要るみたいね。

ビーチでチェアとパラソルを準備してくれるスタッフ
カンクンなら50ペソ。
イスラ・ムヘーレスなら20ペソ。
場所により違うので、
「クアント クエスタ(いくらですか)?」。 
使用料なのかチップなのかいまいち不明ですが、
はっきり料金は言われます。

オールインクルージブでも、一応聞いてみましょう。
基本、カンクンは地方の倍のチップ要だそうです。
逆にいえば、カンクンの半額が各地方。
メキシコシティは、カンクン並みでしょうか?
訪れた場所が高級かどうかによるでしょう。

バヒオ地区の生活の場では、
スーパーのレジで買い物を詰めてくれる人
(2~5ペソ。大量に買った時は10ペソ。)

スーパーの駐車場の去れ去れ係(3~5ペソ)。
駐車スペースから車を出すときに、後方確認してくれて
「サレサレ。サレサレ。(出なさい)」
と、声をかけてくれる(だけ)のサービス。
でもま、顔見知りになると 駐車場所を忘れて
ボーっと車を探していると、
「今日はこっちだよ。」
と、連れて行ってくれるありがたい存在。
荷物カートを車まで案内してくれたら10ペソ。


ご家庭では、
タンクのお水を配る人
(1本20リットル28ペソだったと思いますが、
30ペソでお釣り不要とされている人が多いみたいです。)

・屋上タンクのガスを入れてくれる人
(ガス代とは別に10ペソ。
2人来られても10ペソで良いそうです。)

家具の配達をしてもらったら、配達の人にも。
(2人でも50ペソくらいでOKだそうです。
 2階に運んでもらったら100ペソ?
 …わたし、200あげたわ。)

大工さんなど、家のメンテナンスでお世話になったら、
修理代とは別に50ペソ。

・個人で頼まれているお掃除のメイドさんには、
年に1度クリスマスに1月ぶんのボーナスをあげるそうです。
(雇用して半年なら、ボーナスは1月分の半分で良いそうです。)

駐在家庭の場合は、
何かにつけて困ったときに助けて頂いているので、
チップは多めでちょうど良いかも知れません。
メキシコできっちり生活されている人は、適正額を渡して
おられるのだと思います。
 


ルール5:チップ不要の相手

タクシーの運転手さん(運賃だけでOK)
でも、大きな荷物を持ってもらったら、
ひとつに付き1ドル以上。
(10ペソか20ペソ×個数)
 
観光案内の呼び込み
(各施設からキックバックがあるらしい)

ホテルマネージャー
(偉い人は給料が高いから、あげなくても良いみたい)

プールサイドのタオル係
(自分で取りに行った場合は不要。
頼んだなら、払うこと。)

ミニバーの係 (同上)

オールインクルージブのホテル
原則チップなし。
でも、ベットメイキングやルームサービスには必要。
また、レストランでもビュッフェでなく、
ワインのおかわり注いだりなんだりのサービスを受けた時は、
50~60ペソテーブルに置くみたい。
(メキシコの人 談)

日本でツアー旅行を申し込んだ際には、
契約書のどこかに
”チップ料はすべて込みです” という一文が
入っている場合もあるそうです。

現地で、ご自分で申し込まれた場合は、
さりげなく
「チップはどうなっていますか? 」
と、確認なさると良いかも。
  
でも、オールインクルージブでもチップ払うんじゃ、
結局気を遣ってさ。
私達的には なんだか意味ないですよね。
旅行会社さんの見解を聞きたいわ。

病院関係(不要)

レストランなどで花束を売る人
「ずいぶん高めの料金設定なので それ以上は不要よ。」
とメキシコの人。

(どうやら、チップは、品物ではなく、
サービスに対して発生するみたいですね。)

学校の先生
年に1回感謝の日がありますので、その時に品物。
スカーフ、CD、キッチン用品、チョコレートボックスなど。
遮二無二 手作りしなくても良いそうです。

郵便配達人
年に1回感謝の日がありますので、
その時にチップ。50~100ペソ。

住宅の守衛さん
大晦日の日に、封筒に。
ひとりずつ宛名を書いて 50~100ペソ。
あるいは、皆さまでとクッキーボックスなど。
 
 

ルール6:チップの相場

”都会”か”地方”かによってかなり違います。
メキシコシティ、カンクンは都会。
バヒオ地区は地方。
でも、グアナファトなどの観光地は都会の仲間かな?

都会の場合、チップは地方の倍
カンクンのホテル等なら、どんな時も20ペソ↑。

バヒオ地区は10ペソでも
かなり許してもらえますが、超高級ホテルではダメかも…。
(ビジネス客の来ない不便なところに、高級感溢れるホテルもあるのよ~!)

でも、バヒオ地区なら『妖怪小銭集め』で、
1ペソやら5ペソやらで がさごそお渡ししても、
まま 許されるそうです。


ひとたび、旅行でメキシコに来られたら、
たとえ貴方がバックパッカーの若者でも、
レストランではチップを払わないわけにはいきません。
(が、そこまでたくさん出なくても許されそうです。)

いくら若くても、メキシコまで来れる人は
お金持ち(中流)です。
(メキシコのサービス業の人々からは、そう思われています。)

チップをあげた時に、フンという顔で受け取られたら、
少なめ or 不合格点。

笑顔が出たら、普通。まあまあ合格点。

すごい笑顔で
「どこの国の人?」
「他にも何かしようか?」
と 聞かれたら、あげ過ぎたか(?)


向こうも、初めて会う人に対して
好きも嫌いもありません。
また、二度と会うこともないかもしれません。

一期一会の心で、気持ちの良い関係をつなげていけば、
『気持ちの良い旅だった。』
と、あとで思えるかもしれません。


『チップは損』
ではなくて、
『笑顔が見れるから得』
とでも思いましょうか?(号泣)




おまけ

☆ チップは基本5ペソか10ペソ。
都会で迷ったら、20ペソなら まま納得。

☆ カンクンで働くある従業員さんは、
月給は6000ペソ/月(48,000円)。
チップは10000ペソ/月(80,000円)。
お天気が悪くお客様が少ない時は、
チップも減るそうです。
ピンチ!

サービス業は基本、低賃金です。
ホテルでチップを払わなくてもよい
マネージャークラスは"高給取り"ですが、
若い人はそれほどもらえていません。

大体のホテルでは、チップは全体で集めて、
みんなでシェアするそうですよ。
(高額なチップは、そっと貰っておく事もあるみたい。)



*読んだ主人が
「あんたー、ホンマかウソか知らんが、いっぱい書いたね。」
「いちおうメキシコの人と真剣に相談して書いたよ!」

・・・どうぞ、話半分でお読み飛ばしください。
 
メキシコのチップ(プロピーナ)_c0325278_15182468.jpg
 




↑ 良いものを見つけました。
リンクさせていただきましたので、どうぞご参考に。


 


by Taseirap | 2014-11-13 07:38 | メキシコ基礎知識 | Comments(0)

メキシコと日本の暮らし


by Taseirap