県名勝 吉水園(よしみずえん)

日ごと秋冷の加わる頃、
お健やかにお過ごしですか?
広島はすっかり秋色に染まり、
日脚が短くなりました。

広島県山県郡(やまがたぐん)安芸太田町加計(かけ)の、
県の名勝『吉水園(よしみずえん)』。
秋の一般公開は、11月7日(土)・8日(日)と、
14日(土)・15日(日)。

秋の紅葉を求めて、行って参りました。

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吉水園は、江戸時代半ばの天明元年(1781年)の春、
加計隅屋16代当主の
佐々木八右衛門正任(ささき はちえもん まさとう)が
山荘として建築したものです。
隅屋は江戸期を通じて、中国地方でも最大の
たたら鉄山師です。

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現在は24代当主の加計正弘氏の所有です。

ご先祖様が、佐々木姓なのに、現在の当主が
加計を名乗られるのにはわけがあり、
明治の平民苗字許可令・平民苗字必称義務令で
農民も苗字を名乗ることになり、
この辺りでは、
『佐々木』姓と『栗栖』姓が大人気。

佐々木さん、栗栖さんがとても多くなったので、
「では、私は”加計”と名乗ろう。」
と、苗字を替えられたそうです。

庭園の拵えは、
もともとあった玉壺池(たまつぼいけ)をいかして、
1781年9月17日から40日をかけて完成。

その翌年には、入母屋造り茅葺の『吉水亭』が落成。

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ですが、さらなる上を目指してか、
1788年から1807年にかけての20年間は、
広島の『縮景園』(旧広島藩の浅野の殿様の泉邸)を担当した
京都の庭園師 清水七郎右衛門(しみず ひちろううえもん)に依頼。

造園の大家、七郎右衛門は、
縮景園の作業を終えて、次は加計。
こちらの庭を3度にわたり、改造修理したそうです。

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吉水亭の中二階(高間)からの眺望は
遠くには太田川も見え、
明るく広がる借景に対して、室内は陰翳礼讃。

黒い柱のフレーム越しに、自然から切り取ったような
見事な秋が広がります。

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園内には、たたら鉄の神様
『金屋子社(かなやごしゃ)』が建立され
『琴平社』『稲荷社』も一宇(ひとつの社のなかに)に
覆われています。
園内のふたご杉の横には、
『松林庵薬師堂』も建立されています。

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回遊式の庭園は、春夏秋冬 楽しめる庭造り。
高低差をいかして、一足ごとに景色が変わる豪華さです。


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この庭園は春と秋に2週末ずつ、
各4日間一般公開されています。

秋の紅葉もですが、
春の『モリアオガエル』の産卵も有名。
県の天然記念物のモリアオガエルが、
ブクブクと白い泡のような卵塊を
緑のモミジの枝に産む様子は、
テレビのニュースでもよく見ます。

秋のいま時分は、カエルは山に入っていて、
園内にはいないそうです。

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藁ぶきを吹き替えるだけで1千万円もかかるそうで、
風雪の多い県北のこと、
15年くらいはもつはずの屋根も、
10年くらいで替えないといけません。

加計家が1/4、県と町が残りを負担するそうです。

入園料は200円。(15歳未満は無料)

それも、見学者で混雑しているので、
ボランティアらしき受付テントの奥様方、
大忙しです。
いらっしゃった方は、どうそ自己申告でお願いします。

園内では、さりげなく歴史や建物の説明を
してくださる町の役場の人や
ボランティア・ガイドさんもおられます。

郷土のひとから愛されてある『吉水園』です。



☆吉水園
広島県安芸太田町加計
http://www.yoshimizuen.com/

車は、川の近くの道の駅『太田川交流館かけはし』にとめて、
加計の商店街をそぞろ歩かれて、
山の方向へ歩かれると良いと思います。


車で10㎞か、そこら。
隣の筒賀(つつが)地区の
『筒賀の大いちょう』も見頃です。

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☆『筒賀の大いちょう』
広島県山県郡安芸太田町筒賀梶原大歳神社
(筒賀中学校のすぐそば)

樹齢1100年。県の天然記念物。
高さ49m、周囲8.2m



by Taseirap | 2015-11-10 07:30 | Hiroshima | Comments(0)

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