ことば美人

ひとさまに物をさしあげるとき、
むかしは
「つまらないものですが・・・。」
などと言っていました。

でも、外国の人から
「どうしてつまらないものをプレゼントするの?」
という謙譲語のない言語圏からの至極まともな疑問をうけ
現在では、あまり遣われないようです。

「ほんのおすそ分けですが・・・。」も、
いまは「お福分け」を聞く方が多いですね。

わたしは、
「これ、おいしい!(話すうちに自信がなくなって)
 ・・・と、思うんですけれど・・・どうかなぁ。」

なんや訳わからん。
はなはだ頼りないことです。


友人はことば美人が多く、いつも上手にくださいます。

お野菜をくださるご一家は
「旬の物って、一度にたくさん獲れて家族で食べきれないのよ。
 良かったら、手伝って。
 もうほんとうに、もらってもらうだけでありがたいのよ。」
と、言ってくださいます。

「ええ、ええ。もちろんお手伝いするする~!」
と、物を戴いている分際で、明るく調子よい言葉が
ついつい出てしまいます。

厳しい方の祖母が生きていたら叱られる軽薄さでしょう。
(でも、明るい方の祖母なら、一緒になって
 『わてもしまっせ、お手伝い!』というかも。)


近くの友人は、
ご実家から届いたという海の幸・山の幸を

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新鮮なトビウオ


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新鮮なトウモロコシ



「もらってうれしいのですが、家族だけでは食べきれないから、
 新鮮なうちに どうぞどうぞ。
 食べるの手伝ってくださいね。」
と、優しく言ってくださいます。

旅行のおみやげ物も
「いまこんなの売られてるみたいよ。」
一緒に驚きます。

(どこも地域おこしをがんばっていて、すごいですね。)



自分もそうですが、
”これ食べて元気出してね”
という気持ちのやり取りが品物を介在してありますよね。

ありがたく、うれしいです。







by Taseirap | 2015-08-18 07:30 | 日々の暮らし | Comments(0)

メキシコと日本の暮らし


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