日本の『空き家』問題

メキシコから日本へ帰った時に、車窓から景色を見ていて
『あれ?日本てそこまで裕福な国ではないのかな?』
と、思いました。
家が小さくて密集していて・・・。

同じように密集していても、グアナファトなどは手入れされた感じで、
とてもきれいです。
人の住む温かさが町の美しさになっています。

日本の美観を損なうもの。

電柱と電線、看板、ネオン、緑の少なさ。
都市計画の中で、美よりも利便性が優先されてしまう傾向。
人間関係は協調性重視なのに、住宅に関しては大きすぎる自由度。
町並みの不調和。

そして、『古い空き家』。

『あ~、この辺り もうスラムみたいに見える。』
『町並みが途切れた。通り全体がすごくもったいない。』
と、思うところも多々あるある。

小さくても古くても、不思議なもので
人が住むだけでかなりいいのにね。


誰も住まない家を放置するのはとても危険です。
倒壊による危険性や、ゴミ捨て場になってしまったり、不法侵入されたり。
極端な例でしょうが、うちの近所の空き家は放火されました。
あれは怖かったし、大迷惑でした。

そう思うのは、もちろん私だけではなかったみたい。
今年5月に『空き家対策特別措置法』が、全面施行されていたそうです。
あらま(*_*;


そもそも、『空き家問題』の発端は、
親の家に子供世帯が住まなくなったこと、でしょうか?

老親は、古い家に可能な限り住み続けます。
そして、最後は老人保養施設か病院で亡くなります。
こどもの世帯は、仕事の関係もあり、別に住宅があります。

住む人がなくなった家を、さてどうするか?
残された遺族で相談します。
が、お金の問題もあり、仏壇や膨大な荷物もあり、
なかなかスムーズに決まりません。

更地の住宅地にしてしまうと、税金は高いです。
家をこわすお金も必要です。

以前は
『住宅用地に建物が建っていれば、どんな状態でも固定資産税は1/6になる特例』
がありました。
だから、住む人なく放置される家がどんどん増えました。

中には、
『日頃は使わないけれど、仏壇があるから年に何回かは親族が集まる家』も
存在します。
家族の思い出(sentimental value)もあります。
故郷の山や川。先祖代々の土地。自分の代でつぶすのはしのびない。
「そうや!退職したら田舎に住もう!」

でも、いざ帰ってきたら、あらあら、とても住めたものじゃない。
ちょっと踏んだら床が抜けた。
「おかん、よおこんなとこ 住んでたな~。」
言うてるまやありまへんで。


とにかく!
いまでは”税金1/6のラッキー!”がありません。
無人の家でも、きっちり税金が取られます。
さあ、どうしましょう?

田舎のケースを考えますが、
いざ売ろうとしても、築25年以上の家は、外観がどんなに立派でも
資産価値はほとんどありません。
『この棟もこの瓦も。立派なものなのに…。』
家屋の価値はゼロ、土地だけの評価で売買されるそうです。

日本のリセールバリューの低さが、悲しい障害ですね。

メキシコを引き合いに出すと、またこれは別の話にもなりますが、
新築の家は水やらガスやら通信やらが、色々トラブル続きなので、
”誰かが先に住んで、すっかり直してくれた方が良い。”という価値観(笑)

アメリカやイギリスでは、努力次第で、買った時よりも値が上がることも
多いそうです。
やはり手入れの良さが決め手。年と共に出てくる風格も魅力らしいです。

日本のように自然災害の多い土地柄では、どうしても新築時が
"ベストの状態"とされがち。
風雨にさらされ、住宅の資産価値を保つのはかなり難しいでしょう。

でも、古さも味になる良い家は結構あると思うのですが・・・。


過疎対策も考えると、自然のある田舎で雇用を作り、
老親と同居なり、近居なりできるような暮らしが理想的です。
(親子関係にもよりますが)

これからは農業コミュニティ(会社)を作り、村づくりをする方法も
あると思います。
耕作されない土地や空き家を、地代を払って、会社組織で借り受ける。
それを、社員ファーマーが農業する。
ちょっと共産主義的な感じですが、農業の問題点(休日なし、後継者なし)解決
のために。

血のつながりの後継者から、農への志の後継者へ。

自然豊かな環境で、のびのび子育てをしてみたい若い人もおられますよね。
農家に婿入り、嫁入りとなるとものすごく勇気がいります。
でも、ひとつの就職先と思えるくらいの内容なら、検討してもらえますか?

難しいかな。



土地への執着と新築信仰を捨てられれば、もっと自由な日本になれる
ような気がします。







あるいは、発想を逆転して、いっそアメリカのサンシティのように
老人だけのコミュニティを作り、そこでALL完結するようにするとか?

老人の住みやすいまち、病院と美容院と図書館と珈琲店。
地域巡回の小型バス。宅配のお弁当(笑)。
みんなが利用できるミニ・コミュニティハウス(冠婚葬祭用)。
お墓は永代供養で。

日本の田舎は何処も表情が似ているので、少々違っても
『あ~、古里だ~。』
と、私なら気がつかない。

それに温泉と往診のシステムがあって、年金でまかなえれば。
姥捨て山、上等! 

終の棲家に決定!





Commented by ティラミス at 2015-10-31 15:17 x
まさに我が生家を処分している最中です。
空き家になってから約15年。築50年近い木造です。
風通しに年に数回母が帰っていましたが、年齢もあり、徐々に難しくなってきました。外観もボロボロになり、どうしたものか。
亡くなった父は「あんたにやる。」と言っていましたが、私もいらん。

ど田舎で車も入れない、道も狭いそして袋小路になっている家なので、
買い手もつかず。親戚からはふうがわるいので、更地にしろとまったくもって余計なお世話な助言の嵐。

そんなとき、お隣のお宅が「買いたい」と言ってこられました。
建物ゼロ円、土地も二束三文。それでも結局売却することになりました。不動産業者に入ってもらうと仲介料をばかみたいにとられます。
かといって素人には難儀なので、仕方なくです。

今は消防法も土地売買に関する法律も厳しくなっているようです。それに加えて土砂災害危険区域の調査も行われているので、これがベストとは一概に言えないようです。

でも、生まれ育った家。お別れに行ってきましたが、思い出が多すぎてなんとなく寂しい気持ちでした。いいことも悪いこともたくさん。
心の中にしまって、そのうち生家より今住んでいる家のほうが長く住んでいる。になるのでしょう。
Commented by Taseirap at 2015-10-31 17:19
悲しい!(ノ_<。)
私の理想の家は古民家のリノベーションなんですよ。
50年なんてまだ若いですよ。
土地もいざ買おうとしたら、高いのなんの。
(と、これは人に聞いた話ですが。)

民泊の宿にするとか、別荘にするとか・・・。
あー、難しいですよね。

不動産やさんも、中古は扱いたがらないと聞きました。
もったいない!

センチメンタル・バリューはプライスレスですよね。
心で『ありがとう』と『さようなら』ね。
「小さいとき、守ってくれてありがとうね。」

さようならだけが人生さ、って誰のことばだったっけな。
元気出してくださいね。
by Taseirap | 2015-10-31 07:30 | Comments(2)

メキシコと日本の暮らし


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