八朔を剥いて待つ
2017年 03月 28日
結婚したてのころ、社宅に住んでいました。
社宅というと、窮屈な印象があるかも知れませんが、
私は楽でした。
車の運転が下手で、入居してすぐに、
サイドミラーを壁にぶつけてしまいました。
グラグラになったので、
ガムテープでグルグル巻いて固定しました。
その一部始終を、ベランダから目撃され、
御近所の奥さまに すぐに本性がバレました。
以来、可愛がってもらいました。
「もっとしっかりした人かと思った。」
と、よく言われました。
ところで、
歳上の奥さま方には、
幼稚園や小学校の子どもさんがいます。
午後のお茶会をしていると、
皆さん、突然八朔を剥き出す。
???
つられて、剥く。
すると、子ども達が
「ただいまー。」
と、帰ってくる。
よその子も、
『うちの母ちゃん、今日はここだろう。』
と、勘で帰ってくる。
(笑い声が聞こえたらしい。)
手を洗って、お母さんやおばちゃん達の
剥いた八朔を食べる。
「今日、宿題多い~。」
「マラソンの練習した。疲れた~。」
子ども達は思い思いの事を話し、
お母さんは
「へー。」とか「まあ。」とか、適当な相づち。
若いお姉さんだった(はずの)私だけが、
真剣に聞いてあげた。
でも、子どもたちの食べるスピードが速くて、
剥く方も忙しい。
また別の日は、ドーナッツを揚げたり、
たこ焼き焼いたり。
もちろん、買ったおやつの日もあったけれど、
帰ってきたら、まずはご褒美。
笑顔に戻してから、宿題だった。
『これは良いシステムかもしれない。』
子どもが生まれて大きくなったわが家も
『ただいま→ご褒美』システム。
でも、その弊害も。
うちの息子は、八朔やデコポンなど
柑橘類を自分で剥いて食べたことがありません。
小学校の給食で出たときに、何回か剥いただけ。
この前、蜜柑も「剥いて。」と
平然と言い放ちました。
叱りました。
小さいときは、
「手がみかんになる~。」
と、泣いて
("手に匂いがついてとれない"の意。)
可愛いかったから、つい大目にみましたが、
さすがにマズイでしょ。
先日、バッタリあった先輩奥さまに尋ねてみたら、
30歳、3人の子持ちのハーちゃん(男性)も、
まだ自分では剥かないそうです。
三つ子の魂、百まで。
ハーちゃんにとって、八朔はお母さんが剥くもの。
今でも、大好物なんですって。
…まあ、もういいか。
ほかの部分で、しっかりがんばってね。
by Taseirap
| 2017-03-28 07:30
| こどもたち
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