故宮博物館 家具

故宮博物館に皇帝の書斎があります。
清代恭親王府に置かれていた紫檀家具。
17-18世紀の様式が表れているそうですが、
想像よりも質素な印象でした。


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書斎
玉座は『雲龍文束腰玉座』龍の彫刻入り

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居間
中央の椅子が『雲龍文束腰羅漢床』




お机には水差しと筆。
壁には、貴石の花。枯れないように。
ミュージアムのショップには、文房四宝として
いくつか販売してありました。
文房四宝ぶんぼうしほう)は、中国文人の文房趣味のひとつ。
“筆墨硯紙”の四つを指すそうです。
別に 文房四友(ぶんぼうしゆう)という言い方もあるそうです。

水差しは、4宝には入らないのね。
皇帝の机に、大と小の2つもあったのに。
文鎮もすごいお宝風でした。


  

  



皇帝は、食事の際にお毒味役がつくのはもちろん、
たくさんのお皿から何口食べたかを
カウントする役目の人もいたそうです。
同じ品を3回目に箸を伸ばすと
「陛下、3口目でございます。」
と、ストップがかかります。

『執着』を防ぐためだそうです。

怖い。

好きなものは好きでしょ。
美味しいなら たくさん食べても良いじゃないの。

ダメでございます。

執着はいけません。
意志をもたないお人形さんでなければ。
あるいは、感情に左右されない賢君でなければ。

博物館にたくさんあった宝石の技巧を尽くしたおもちゃ。
宝石とはいえ、石よね。
重いし冷たいし…。
なんだか可哀想な気がしました。
皇帝になるのも大変ね。

さて、書道のことですが、中国ではその昔
子供たちはバケツ一杯の水で字の練習をしたそうです。
1日1万字。
勉強が終わって、もしも水が余れば墨が薄かった。
逆に水が足りなくなれば、墨が濃すぎたから。
墨の使いすぎということ。
毎日ちょうど良くするのが大切なのね。

皇帝といえども学ぶときには同様。
たださすがにバケツではなく、高級な水いれ
高級な水差し、高級な硯に筆。

これら高級なものも残っています。
博物館の売店にレプリカを売っています。
ネットでも買えるみたいです。
綺麗です。
綺麗だけど、我が子だったらやっぱり可哀想。

勉強という孤独な作業は、現代の子どもたちもしているけれど
金の水差しの寂しさはまた別格だろうと…。
科挙の試験を受けて入った周囲の官僚は、
物凄い切れ者だらけでしょう。
台南で昔の科挙の試験の最高点の答案を見たけれど、
その字の美しさたるや!
まるで筆で書いた活字。
ザ・官僚!

権力者ってほんとに楽しかったのかしら?

by Taseirap | 2019-05-12 07:30 | 台湾ロマンチック街道2019 | Comments(0)

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