異なるスペイン語

私の弟は、大学でスペイン語を学びました。
「お姉ちゃん、スペイン語ができたら世界の1/3で話ができるんよ」
「ほんま? すごいね~」
その頃のスペインと旧スペイン領を足したら、
面積ではそうなったのでしょうか。
イスパニア語と言っていましたね。
現在、スペイン語を話す人は 5億人だそうです。
(世界人口は約77億人)

大学1年の夏に帰省したときは、昼寝でうなされながら
呪文を唱えていたので、聞いたら
「動詞の変化のテストを受ける夢をみた」
今ならその気持ちが多少は分かります。
語学に進まなくて助かった~。

「日本で勉強していったスペイン語と、メキシコのスペイン語は相当違った」
とよく聞きました。
NHKのテキストには、メキシコスペイン語の特徴は4つ。
[θ]の発音がない。
日本語の『サ行』の発音[S]をする。
「はい。」の「Si.」
日本語の「し」は[sh]なので、子音の弱い発音。
[si]はもっと強い音だそうです。

② vosotros(君たちは)がない。
敬語っぽい ustedes(あなた方は) だけある。

③ nomas「ほんの~」「~だけ」をつかう。
Nomas voy a tomar un cafe.
(私はコーヒー以外には何もいらない)
そうなの?知らなかった。
「ナダマス。」だと思ってた。

④ ? Como no ? (いいとも/もちろん/喜んで)
聞いたことある。
英語の why not? と同じだなと思った。

⑤ ! Que buena onda ! (ラッキー/感じの良い人だね)
全く知らない。

チリやアルゼンチンのスペイン語も、また違うそうです。
英語もそうですね。
同じ言語でも地域差がある。

例えば、じゃがいも。
ラテンアメリカでは、papa (パパ)
これは、アンデス山脈の先住民のことば。
ケチュア語です。
でも、スペインでは patata(パタタ)

これは、スペインの歴史では
先にカリブ海でbatata (さつまいも)に出会っているからだそうです。

「Ba バタタに似たこれは… Pa パタタ!決定」

じゃがいもとさつまいもは全然違いますが、
赤いじゃがいもに出会ったのでしょうか。
アンデスならそうかもです。
パタタが英語圏に渡って、potato(ポティトウ)になるというね。
繋がりですよ。

『Tortilla (トルティージャ)』は、メキシコでは
トウモロコシ(か、小麦)の粉のクレープに色々具を挟んだもの。
コストコのメキシカン・サラダ・ラップの外側の白い生地が
ほぼトルティージャといえる(かな?)

レストランでは、それにソースがかかって『エンチラーダ』
チーズと緑のチリソースがかかって『ケサディージャ』
ほとんど同じような生地を、小さめの丸い形にして
具をのせたら『タコス』
(米国では生地を油で揚げて、タコスとする。)

『トスターダス』『ナチョス』は、
トルティーヤを焼いたり、揚げたりして
スナックぽくしたもの です。

長細いパンに具をはさんだものは
『トルタス』(フランスパンのサンドイッチ風)。

トル○○がやたら多いので、迷います。
一連の親戚関係みたいな これらラテンアメリカの
炭水化物系主食たち。
「ムイ リコ。(とても美味しい)」

でも、スペインで『トルティージャ』と言うと
「じゃがいも入りのオムレツ」です。

* 日本国内では、
『トルティージャ』がスパニッシュオムレツで、
『トルティーヤ』がクレープ系の焼きものと
区別されているようです。
外来語の日本仕様で、きっちり分けられていますよ。
面白いですね。

野菜のトマトは、メキシコでは『 jitomate (ヒトマテ)』
(緋色のヒで覚えやすい。赤いトマトね)
でも、他のスペイン語圏では 『tomate』
“緋”が取れました。

ブラック コーヒーは『cafe negro (カフェ ネグロ)』
ネグロは『黒い』
メキシコ、中米、キューバ、ペルーで通じます。

でも、スペインとアルゼンチンでは『cafe solo (カフェ ソロ)』
そして、基本 エスプレッソです。
日本で思うブラックコーヒーがほしかったら、
『カフェ・アメリカーノ』
お湯が同量入って出てくるそうです。

レチェ(牛乳)入りの場合は、
『カフェ・コン・レチェ(café con leche)』
“エスプレッソ式で淹れられた濃いめのコーヒーに、
ミルクとはちみつを加えた飲み物。
コーヒーとミルクの量はほぼ同じくらい” だそうです。
カフェオレっぽいと言えなくもない。

コロンビアとエクアドルでは『cafe tinto (カフェ ティント)』
ティントは赤です。
ブラックコーヒーを 赤いコーヒーと呼ぶのですね。
熟したコーヒーの豆を使っているのでしょうか?
それとも 薄いのでしょうか?

でも、スペインで「ティント」
と言ったら、赤ワインですよ。
『vino tinto (ビーノ ティント)』がやって来る。

ジュースも、メキシコでは『フーゴ』ですが
スペインでは『zumo(スモ)』です。
『Zumo de naranja (スモ デ ナランハ)』が、オレンジジュース。

スペイン語を勉強すると、地理とことばの面白さを実感します。

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by Taseirap | 2020-07-31 07:30 | スペイン語 | Comments(0)

メキシコと日本の暮らし


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