自分の世界

仕事で、子どもとお外で遊んでいて
(良いお仕事ね、といつも思います。)
ブロックに石を詰めていたので
私も一緒に石を探しました。

「向こうの木の白い花がきれいね。」
と言うと
「木蓮だよ。」
と教えてくれました。

「そうなの。木蓮だったのね。」
「向こうの白い花も木蓮だよ。」
「あ、ほんとうだ!咲いてるね。」
「ロウバイもあるんだよ。」
「すごいね。誰に教えてもらったの?」
「お母さん。」
「ふーん。お母さん偉いね。」
「ふふ。」

「木蓮は咲いたね。桜はまだかな。」
上を見上げると。
「あ、咲いてるよ!」
え?
あら本当だ。何輪かほころんでいる。

青い空に咲き始めた桜。
ウグイスが鳴く。

「かわいいね。」
「そうだね。可愛いね。」
桜に“可愛い”を初めて使う。勉強になります。

男子が走ってきて、
破れたフェンスを直して張ってある金網を めくる。
「これね、猫が入らんように張ってあるんだってさ。」
「あらあら、じゃあ張っておきましょう。」
「入れんじゃん。」
走って去る。

桜の下で小石を集める。
金網をそっとずらす。
子どもには大人の知らない自分の世界がある。

私も石を集め、金網はこっそり元に戻す。
子どもの世界を守る 静かな大人のひとりでいる。



by Taseirap | 2021-03-22 07:30 | こどもたち | Comments(0)

メキシコと日本の暮らし


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